-第三十二回-
*Turkey_『My Selection...#B』*
日本ではGWが終わり日常の静けさを取り戻している頃でしょうか
こちらジョージアも同じく連休でほとんどの店が閉まっていました
偶然ですね
こちらはパスハ(復活大祭)とう正教会の祝日でした
街や市場にはイースターエッグや羊型の焼き菓子、
クリーチと呼ばれるお祝いの菓子パン等が並んでいました
またいずれ、ご紹介できると思います
さて今回も前回に引き続きトルコ菓子をご紹介します
念の為に言っておきますが前回は入門編です
どんどんマニアックになってゆきますが、どうか諦めないで付いてきてください
第二弾
『べ、別にあなたの為に作ったわけじゃないんだから...一口だけよ。トルコ菓子中級編』
どうぞ
さて、まずご紹介するのは"Lokum"(ロクム)
ロクムは割と日本人も知っている方が多いかもしれません
トルコの土産菓子の定番のひとつですので
ロクムはでんぷんにナッツを練り込んだお菓子で日本でも似たようなお菓子があります
ただトルコのそれはピスタチオなり、バラなり、マスティックガムなりで異国の風味を醸しています
トップの写真はとてもキレイで日本の茶席に運ばれても違和感なく溶け込みそうですね
二つ目の渦になったのもロクムのひとつですが
カイマックという濃厚なクリームが巻き込まれていて
雪見大福を彷彿とさせる食感、これには驚きました
"Afyon"(アフィヨン)というカイマックで有名な街で頂けます
なんとも食欲を無くさせる五色の水あめ
"Osmanlı macunu"(オスマンル マジュン)
オスマン帝国時代からある伝統的なお菓子です
お味は五種類味が混ざるので良く分からない...ただただ甘い...
面白いのはレモン汁を付けて食べる事
酸味が甘味を緩和します。スッキリ
ただ子供なら喜ぶのだろうという感じのお菓子
こんな風におじさんが手売りしています
たぶん、ベストと帽子は民族衣装
たぶん、ボーダーの服とジーパンはおじさんの私服
ハイレベルなファッションです...たぶん
写真は"Izmir"(イズミル)にて
米の入ったミルクプディングって日本では珍しいですよね
ヨーロッパでは割とよく見ます
ライスプディングやぎっしり詰まった米のタルトとか
ただ日本人にはちょっと抵抗があるかも
ご飯にミルク注いで食べるなんて信じられないし
口の中が不快感で溢れますもの
(※↑日常にされている方がいればお詫び致します)
ヨーロッパ人はご飯とパンを一緒に食えるからな
きっと米の位置付けが日本人とはかけ離れているのでしょう
そういえばタイのお菓子にもミルクで炊いたモチ米のお菓子があったな
個人的にはタイの方が好きかな、激甘だけど。。
ちなみにトルコでは"Sütlaç Fırın"(ストラッチ フルン)と呼ばれます
プディング繋がりでこちらはピスタチオ入りのミルクプディング"Keşkül"(ケシュキュル)
かなりピスタチオが香ります
アーモンドやココナッツを入れる事も
スパイスを調合すればかなり面白いお菓子になりそう
こちらもライスプディングの一種(ミルク無しですが)
黄色はサフラン由来です
サフラン香る甘いお粥"Zerde"(ゼルデ)です
ウェディングの定番のお菓子だそうですが街のお菓子屋でも普通に買えます
アラブのチーズ菓子"Künefe"(キュネフェ)
カダイフと呼ばれるパスタ生地でチーズをサンドし両面カリッと焼き上げます
そして仕上げにお決まりの甘ーいシロップ
トルコ南東部"Hatay"(ハタイ)のお菓子
更に元を辿るとシリアやレバノンやそっちの方のお菓子です
子キュネフェも定番
注文と同時に焼いてくれるのが嬉しい
パリとろ
女性の唇という意味の"Dilber Dudağı"(ディベル デゥダイ)
バクラヴァと同じ薄い生地にピスタチオが詰まっています
ハーレム
こちらはラマダン時期に食べられるお菓子の一つ"Güllaç"(ギュッラーチ)
ギュッラーチ用の生地と甘いホットミルクを交互に重ねて作ります
そして、仕上げにバラ水をかけて出来上がり
中にはクルミやピスタチオが申し訳程度に入っています
マニアックですが、付いて来れてますか?
まだまだ行きますよ
コーンスターチ入り、ギュッラーチ専用の生地
可愛いパッケージ
日本ではまだパンケーキが流行ってるのかな?
こちらはトルコ版パンケーキ"Taş Kadayıf"(タシュ カダイフ)
片面しか焼かずに、中にナッツを入れて折りたたみます
そして、素揚げします。
さらに、シロップに浸します
これがトル子特製パンケーキよ
今、FUDGEのサイトで今年の夏のオシャレをチェックしているような乙女は
決して焼き上がったパンケーキを揚げるような事はしないだろう
もし、人前でタシュ カダイフを作ってしまった日には不思議系女子の仲間入りを果たす事だろう
揚げたてはモチモチで美味いんだぞ
かぼちゃ菓子"Kabak Tatlisi"(カバク タトルス)
甘く煮たかぼちゃに、"Tahin"(タヒン)ゴマペースト、"Pekmez"(ペクメス)濃縮ブドウジュース
の組み合わせ
クルミのトッピングもお決まりです
タヒンとペクメスの作り出すマーブル模様があなたの頭のミステリーを象徴してます
ナニコレ?お菓子?
ですね。
大丈夫、恐がらないで。
これは"Peynir Helvası"(ペイニール ヘルヴァ)
セモリナ粉をバターでじっくり炒めてシロップとチーズを混ぜればできあがり
未知な味はトルコで味わってみてください
ちなみにセモリナ粉はイタリアンパスタで使われるものと同じです
最後は"Tahin Helva"(タヒン ヘルヴァ)
ゴマペーストを使ったヘルヴァ
ショリショリ食感と香りがたまりません
手前から、タヒン(ゴマペースト)、タヒン・カカオマーブル、ピスタチオ・タヒン、カカオ
トルコには色んな町にヘルヴァ屋があります
ヘルヴァは日本人も大好きな味です
こんな塊があれば積極的にスライスしてもらいましょう
お土産には重いかもしれませんが美味いです
さて、第二弾
『べ、別にあなたの為に作ったわけじゃないんだから...一口だけよ。トルコ菓子中級編』
はここまで
また、"THE PASTRY TIMES"vol.11 (5/10発行) もトルコ菓子について記載していますので
気になる方は設置店舗よりお求めください
次回は更に更にマニアックな内容となりますのでご覚悟願います