ミャンマーローカルバスの旅、ピエまでは相変わらずのガタガタ道に揺られながらワゴン車で6時間ほどでたどり着いた。首都ヤンゴンでバスは無いと言われていたけれど、ないことはなかった。ミャンマーもどんどん発展していくから、この不便さも逆に良い時代に来れているのかもしれない、と思おう。
夕方、ピエに着くと妙に疲れていた、というか連日のバス移動に排ガスを吸い過ぎ、喉と鼻をやられているような感覚があった。フレンドリーなホテルの方と話していると、近くに住むという大学生が英語の勉強にと話をしてきた。ぼくの英語力をアテにされても良いことないぞと内心に刻みながら、一緒に川辺を歩き、ナイトマーケットでお菓子を買って晩御飯を食べた。彼にも彼女がいるらしく、デートでは何をするの?と聞くと、嬉しそうにパゴダ(仏塔)へよく行くんだ、と。もっと、映画見に行って暗闇の中そっと手が重なったり、人気のスイーツ店でほっぺにクリーム付けてクリーム付いてるよもうそっちじゃないよってやったり、たまには家で海外ドラマを見倒して気付けば夕方になってて晩ごはんどうしよっかとか言って近くの中華行こうかって休日だったり、じゃないの。ミャンマーのデートはパゴダらしい。ぼくもパゴダに誘われたが体調が怪しかったので、ナイトマーケットの後はホテルに直行して、すぐに寝てしまった。
ピエで見つけた郷土菓子はミルクを煮詰めて作るインドのバルフィという菓子に似たマライビャッというのが美味しかった。バルフィよりも滑らかでミルクの風味がギュッと詰まった四角形。今回はヤンゴンにいるときにマライ(温めたミルクの上澄みクリーム)を集めて作るお菓子があると聞いてやって来た。思っていたものとは少し違っていたけれど、とても美味しかった。ケイケヤというジャグリー入りの餅としっとりとしたシロップで炊いたようなココナッツロングを合わせたお菓子もイケていた。南国ならではの餅菓子の味だった。これは市場で偶然見つけた。
宿は10ドル以下の安宿でエアコンの無い、蚊帳の中で蚊と戦うような部屋だったけれど、オーナーの方がとても親切で朝食にミャンマーの麺とお餅を三種類も用意してくれた。向かいに座っていたインド人は食パンと目玉焼きを食べていたので、特別に用意してくれたようだった。
次はピエからバガンへ向かう。バガンにはタマリンドを使ったお菓子があるそうだ。
出国まで
あと54時間