-第十七回-
*Ukraine_『BICYCLE & ME』*
ウクライナのとある道にて
ウィーンまで971km
パリ、エッフェル塔まで1949km
バルセロナ、サグラダファミリアまで2932km
マンハッタン、ウォール街まで7460km
世界は広い
今回は"自転車と私"についてのお話です
なんで自転車で旅をしているの?
現地の人にたびたび聞かれる質問です
私は自転車乗りとして生きてきたわけではありません
ただ世界の郷土菓子に興味を持って旅をしているだけ
それがたまたま車やバイクでも無く自転車なだけです
国際免許とお金があればキャンピングカーで旅をしたいくらい
自転車の知識といえば 漕げば進む、ブレーキで止まる
子供の頃に覚えたそれくらいです
あんたは立派なチャリダーだよ
自転車乗りの方にそう言って頂きました
いえいえ、私は所詮ママチャリダーです
ショッカーとの戦闘は出来ないけど、ロッカーの清掃だけはお手のもの
迫るーショッカーじゃなくて、気だるーぃ初ッ夏ーだし
ライダーパーンチは出せなくとも、タイガー柄のパーッチは履ける
もはや大阪のおばちゃんです
とは言いながらも
やっぱり自転車は大好きなんですよ
小学校の頃は地元宇治から京都市内へ行くのが目標
中学校の頃、滋賀、奈良、大阪と徐々に行動範囲を広めてゆき
高校では、親友を無理やり連れて東京-京都間を中古のギコギコママチャリ二台で制覇し
卒業式前日に滑り込みで帰宅
そして19歳の秋、何を思ったのか立ち飲み屋で杯を交わし深夜に出発
京都-福岡間をビーチサイクルで横断
フランスで生活していた頃
フランスは北西部Angersからリュクセンブルグ、ドイツを経由しアルザス地方まで
この旅はフランスによくある路上のレンタサイクルで決行したのだ
これが私のママチャリ暦です
今の相棒との出会い...
フランスのお菓子屋に勤務していた頃この旅を思いつき、
ネットで自転車屋を調べ、次の休みにどんなものがあるのか見に行った
私は2時間弱歩いて、自転車屋に辿り着いた時にはヘトヘト
店員に、上海まで乗れる自転車を下さい。
...じゃあコレで。
店内に入ってから5分くらいの即決でした。
正直なんでも良かったのだ、すまん相棒よ
それよりもその日、自転車で家まで帰れる事で頭が一杯だったのだ
自転車は好きな時に好きな場所で止まって写真を撮れたり
現地の人とのコミュニケーションツールにもなったりします
数少ないバスを待つ事も無いのです
電車やバスの旅では決して訪れない小さな町で
味のあるカフェを見つけたり
場末さを感じたり
あと、自転車で世界を旅するというだけで少しは興味を持ってもらえるかな
そこから各国の郷土菓子の世界を知ってもらえていれば嬉しいです
ウクライナの渋カフェではウクライナ料理の軽食も置いてます
この旅で一度、盗難に遭いましたが
自転車フル装備の人に悪い人はいない気がします
ウクライナの山中
突如現れたエナジースポット
北ルーマニアからウクライナの首都キエフまで
酷い坂を越え650kmを6日で走った
最終日は190km
夜着いた頃にはもうヘロヘロ
キエフではこんな風にビジネスマンと肩を並べて
ビジネスに
明け暮れる
ふり
をしています。
アホみたいな顔して。
私はこれからも走る、
誰が何と言おうと。
私はこれからも走る、
この先に眠る郷土菓子がある限り。
私はこれからも走る、