-第二十四回-
*FRANCE_『GARETTE DES ROIS』*
"Galettes des Rois"(ガレットデロワ)
1月6日のエピファニー(公現祭)の為のお菓子ですが
日本でもお正月の光景の一つになりましたね
「うちはおもちの代わりにガレットデロワなの」
こたつ、正月番組にガレットデロワなんて家庭も多いはず
「もういくつ寝ると、ガレットデロワ~」
凧揚げコマ遊びにガレットデロワ、子供の正月には欠かせないアイテムですね
「ほら、お年玉だ」
バターが染みたポチ袋も、ぁあ正月だなぁ、なんて思わせます
さて、ところ変わって本場ヨーロッパではいかがでしょうか
フランスの伝統では
ガレットデロワに※フェーブという陶器の人形を一つ入れておき
(※意味はそらまめ)
一人の目隠しをした人が切り分けて、それをみんなで頂き
フェーブ入りを見事当てた人が王様になるのだ
その昔は一月の毎週末このガレットデロアを皆で食べていたそうです
そしてフェーブに当たった人が来週のガレットを買う、というルールがあったそうな
1870年にパリのお菓子屋が陶器を入れ始めたらしく
元々はガレットデロワにそらまめを入れていたそうです
ガレット・デ・ロワの起源は、古代ローマにまで遡ります
当時、豆を一つ入れたケーキが供され
豆が当たった出席者を宴の王とする習慣がありました
エピファニー(公現祭)を祝う習慣のある地域では
エピファニーに豆やコインを隠したケーキを食べる習慣があり
スペインはカタルーニャでは"tortell"(トルテリュ)というリング状の菓子パン
南仏ではブリオッシュ生地の"gâteau des rois"(ガトー デ ロワ)
"brioche des rois"(ブリオッシュ デ ロワ)とも
ギリシアやキプロスでは"Vasilopita"(ヴァシロピタ)というアーモンドケイク
アメリカ合衆国南部の旧フランス領には"king cake"(キングケーキ)といって
紫・緑・金の三色でデコレーションされたブリオッシュ生地のお菓子がある
なんでもキングケーキパーティというものがあるらしく
ケーキに仕込まれたおもちゃを引いた人はパーティの王、又は王女となる
上流階級のキングケーキパーティになると貴金属製のフェーブが入っていたそうだ
地方によっては指輪が当たった人は結婚、硬貨が当たった人はお金持ち
ぼろ布があたった人は貧乏が続く、といった感じで一年の運勢を占っていたそう
さて、気になるガレット デ ロワのお味は?
アーモンドクリームのぎっしり詰まったパイです
シンプルながら、やはり焼きたては最高に美味しいですね
特に上品なアーモンドとラム酒なんかのアルコールが合わさってくれればもう絶品
ぽた...ぽた...
ほっぺがいくらあっても足りません
表面には写真のような渦だったり、葉っぱだったり様々な模様をつけます
ぽた...ぽた...ぽた...
こちらが南仏のガトー デ ロワ
ナッツやピール、ドライフルーツなんかが入ったブリオッシュで
もちろんフェーブの当たり付
さて、王様になったあなたは何をする?
その権利で国家を治めるもよし
マネーゲームをするもよし
2番と5番をキスさせるもよし
全てはあなた次第
*フェーブは飲み込まないように気をつけましょう