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-第三十一回-

 

*Turkey_『My Selection...#A』*


 

この三ヶ月、トルコ菓子をほぼ毎日食べ続けた

 

その中でもトルコに来たならば食べておきたいお菓子をまとめておこう

 

厳しい厳選の結果、三十以上ノミネートされたので三編構成でご紹介

 

ヨーロッパ、中東、アジアから影響を受けたトルコの食文化は深く

 

トルコ菓子もフランス菓子に負けないくらいのバリエーションが存在した

 

ただ、それが日本人に受け入れられる(甘さの)許容範囲を超えている事は明らかだ

 

これを読んで、トルコ菓子の深さ、奇妙さ、甘さが伝われば嬉しい

 

トルコ菓子はバクラヴァだけでは無いのだ

 

まず第一弾

 

『日本人でも大丈夫、そんなに恐がらないで、ほら、アタシを見て。トルコ菓子入門編』

 

どうぞ

 

 

"Kazandibi"(カザンディビ)

 

鶏の胸肉をミルクブリンと共に炊いた品

 

なべ底でキャラメルに焦がした部分が上面になる

 

このお菓子はオスマン帝国時代からある歴史の深いお菓子の一つ

 

ブリッッッとした食感が独特

 

ちなみに鶏肉を使わない紛い物も存在し

 

こちらはでんぷんでブリッッッを表現しているそうだが

 

私から言わせていただくと全く表現しきれていない

 

鶏肉のものはもっとブリッッッとしてるからね

 

 

"Tavuk göğsü"(タビュク ギョウスュ) 

 

こちらはカザンディビの焼き目無しバージョン

 

見ての通り鶏の繊維がしっかりと残っている

 

シナモンをふりかけて

 

 

"Aşure"(アシュレ)

 

こちらはアーシュラーの日、ムハッラム月(太陰暦の始まりの月)の10日に各家庭で作られ

 

ご近所に配るという慣わしがある伝統的なお菓子

 

このお菓子には歴史がある

 

ノアの箱舟の話はご存知だろうか

 

ノアは大洪水から逃れるためにあらゆる生き物、植物、そして家族を船に乗せた

 

その後ノアの箱舟は標高5,165mあるトルコのアララト山に漂着した

 

このお菓子はノアの家族が神様へ向けて船内の食材で作ったものとされている

 

英語では"Noah's pudding"と訳される

 

伝統的には41種類の材料で作るとされているが、その様な店は無いだろう

 

実際に41種類の材料で作ってみたが、味の事を考えるとそこまでする事はなさそうだ

 

ちなみに主原料は豆、麦、米

 

それに加えスパイスやドライフルーツなどが加えられる

 

"トルコ版ぜんざい"とでも言おうか

 

そして、現地でも甘さは控えめなのだ

 

材料から見ても分かるかもしれないが日本人にも馴染み易い味である

 

 

" Fısıtik, Badem, Ceviz Ezmesı"(フスティク、バーデム、ジェヴィス エズメス)

 

ナッツと砂糖のペースト、いわゆるマジパンはトルコでもメジャー

 

日本ではメジャーじゃないか...

 

世界で見てもアーモンドのマジパンは有名でもピスタチオやクルミは珍しいと思う

 

そしてとびっきり美味い

 

 

この"Ismir"(イズミル)の"Elgani"(エルガニ)って店のものが絶品

 

柔らかいほわほわの、そしてぶわっと香るピスタチオ

 

毎朝、その日の分だけをおじさん一人で作っているのでいつでも新鮮

 

昼過ぎには無くなっちゃうので要注意

 

もしかするとイズミルに行く方がおられるかもしれないのでコチラ

 

adress: Kuyumcular Çarşısı No:13.P/19 Kemeraltıİzmir

 

トルコ全土で食べられますが、この店のは格別


 

"Bülbül Yuvası"(ビュルビュル ユワス)

 

ナイチンゲールの巣という名の如くふんわりと繊細なお菓子

 

バクラヴァと同じ薄い生地を細い棒でクルッと丸めて、棒を抜いてUの字に丸める

 

それをオーブンで焼いてシロップをかけて、仕上げにピスタチオをまぶして出来上がり

 

バクラヴァと同じ材料でも印象がガラッと変わります

 

ナッツを中に入れるタイプもあります

 

 

"Burma Kadayıf"(ブルマ カダイフ)

 

パスタ状の生地でナッツを包んでパリパリポリポリに焼かれたもの

 

無論、焼かれたあとにシロップがかけられる

 

トルコ南東部"Diyarbakır"(ディヤルバクル)がこのお菓子で有名

 

 

"Katmer"(カトメル)

 

トルコのピスタチオの名産地"Antep"(アンテプ)の郷土菓子

 

生地を一つずつピザのようにブンブン振り回してブンブン振り回して

 

イタリア人もビックリするくらいブンブン振り回して

 

薄ーーーーーく伸ばした生地にピスタチオ、カイマック、砂糖を入れて焼いたもの

 

アンテプでは朝食の定番の一つで

 

焼いた後にシロップをかけられるわけもなく、甘過ぎない

 

むしろ、カイマックからミルクの甘味を感じるくらい優しいお菓子

 

カトメルには牛乳を合わせるのがアンテプスタイル

 

 

"söbiyet"(ショビエト)

 

こちらもピスタチオとカイマックの組み合わせ

 

そもそもカイマックをご存知で無い方も多いかもしれませんね

 

カイマックとはトルコ、バルカン半島、中東で作られる乳製品の一つで

 

ミルクをゆっくり煮詰めて上澄みをすくい取ったものでかなり濃厚

 

スーパーでも買えますが小さな村で作られるカイマックは別物

 

ちなみに"Afyon"(アフィヨン)という小さな町がカイマックで有名

 

 

"söbiyet"(ショビエト)の断面はこんな感じ

 

白いのがカイマックね

 

さて、第一弾

 

『日本人でも大丈夫、そんなに恐がらないで、ほら、アタシを見て。トルコ菓子入門編』

 

はここまで

 

次回からもっとマニアックになりますのでお楽しみに

 

まだまだ続きますトルコ菓子特集